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生活情報
今回の映画オファーを受けて、どんなお気持ちでしたか? 純粋に嬉しかったです。東京に出て10年が経った今、大人になって思うのは「主演で作品に関わりたい」ということ。主役は誰よりも過酷で大変ですが、主役でしか感じられない“達成感”を得るたびに「またこの感覚を味わいたい!」と思えます。それを声に出している中で今回のお話を頂けたので、やはり言霊ってあるのだなと。でも発言するからには、より良い結果をお芝居を通してお返ししなくてはならないと思っています。
(藍と自分が)近いか遠いかで言うと、あまり近くない方でした。私は本当に家族に恵まれて何不自由なく暮らして来ましたが、藍には母から虐待を受け、生き別れ、やっと再会したと思ったら認知症になっていたという暗い現実があって。共感する要素としては難しい側面が多かったのでいろいろ悩みましたね。藍はあまり自分の感情を表に出せない子で、母に対して思いがあるのに、実際に会ったら何も言えない。私は藍とは違い、思っていることをはっきりと言うタイプなので歯がゆい想いはありました。 |
カノンは「母と子」が大きなテーマの作品ですが、母役の鈴木保奈美さんの存在は? この作品を演じる上で一番大変だったのは保奈美さんだったと思います。保奈美さんの娘さんのお名前が「カノンちゃん」というご縁もあり今回のオファーをお受けしてくださったそうで、それだけに覚悟を感じました。保奈美さんといえばキレイで清楚なイメージだったのが、現場で会ったときはげっそり痩せられていて化粧もせず、汚しも入っているくらいぼろぼろな状態の“母・美津子”でした。声もかけられなかったです。撮影以外でもお会いしましたが、私たち3人とはずっと距離を保たれていて、役に対する覚悟を感じました。それに私たちも後押しされましたね。
変わりました。今回作品を通して思ったのは「母も一人の女性である」ということです。作品中で母・美津子は一人の女性として恋をして、裏切られて、傷ついてしまった、、、そういった様々な状況が美津子を変えてしまいました。実際に私にとって自分の母親も生まれたときから“女性”ではなく“お母さん”。でも考えてみれば両親にも子供の頃はあったわけで、成長していく過程で私たちを生み、育ててくれたのだなと。作品を通して家族・両親の存在をより近く感じ、これからの付き合い方をもっともっと深いところにしていきたい、色々な話ができたらいいなと思いました。 |
三姉妹妹を演じた比嘉愛未さん、ミムラさん、佐々木希さんに、現場での姉妹の様子を伺いました。
比嘉愛未さん → ミムラさん・佐々木希さん ミムラさんはお姉ちゃんを通り越してお母さんくらいの安心感があって、希ちゃんは天真爛漫で甘え上手。私はその2人を見て希ちゃんと悪ふざけしたり、ミムラさんには女優業について学んだり。見事なぐらい自然とそれぞれが姉妹になっていました。実際は妹がいるのですが年が離れているので、年の近い姉妹がいたらどうだったかなといろいろ想像してしまいました。 ミムラさん → 比嘉愛未さん・佐々木希さん 演じている最中は当然私が長女ですが、長女=しっかり者というのはある種の刷り込みで、実際はそうでもないと三姉妹で育った方はお分かりになられると思います(笑)休憩時間は特に誰が姉っぽいということもなく、年代のちかい役者同士リラックスして過ごせたのが楽しかったです。 佐々木希さん → ミムラさん・比嘉愛未さん 三姉妹ということもあり、空き時間におしゃべりしたりして過ごしていました。ミムラさんがとても博識な方で、"博士"と呼ばせていただくほど!色々なことを比嘉さんと質問していました。三姉妹全員が役の通り、長女気質はミムラさん、次女気質は比嘉さん、末子気質が私という感じでした。 |
最後に映画「カノン」の見どころをお願いします! 比嘉愛未さん この作品は母と子が生き別れ、お互いが誤解していた部分もたくさんあり、辛い描写もたくさん出てきます。でも結局は「家族だから」許し合えた。苦しみは多いけど、最後は希望に向かっていく物語です。どのような方でもご自身に投影して観て頂けると思います。
ミムラさん 映画的なストーリーを根底に据えつつも現実に踏み込んだ、甘いだけではない作品です。しかしラストのシーンではパッヘルベルのカノンの音楽のように、穏やかな心地と明るい希望に浸って頂けると思います。是非様々な年代の方にご覧頂ければと思います。
佐々木希さん 鈴木保奈美さんの、母親の苦しみや葛藤を抱えたお芝居は圧巻です。三姉妹と母親のそれぞれがとても重い問題を抱えていて、過去が徐々に明らかになっていく驚きの展開に胸が苦しくなるけれど、どんな形であっても親子•家族の繋がりは大切で素敵なものだと感じて頂けると思います。 |
千葉県内公開映画館: 10/1(土) イオンシネマ幕張新都心